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定まらない日記

身の回りのことを書きます。アダルトチルドレン、双極性障害。

こっぴどい失恋の話

昔話

 高校生の頃、絵を勉強できる学校を受験したけど落ちてしまったので、滑り止めの女子校に通った。通い始めて1ヶ月の間、誰とも口を聞くことができなかった。どんなキャラクターでここで生活していったらいいのかわからなかった。結局年月が経つにつれ話ができる回数が増えて、友達もできた。嘘をつかない訓練のたまもので、高校の時は小学生や中学生のころほど嘘をつかなくなっていたけど、教師に恋をしたせいで隠し事が多くなった。家の中も常に何か問題がある状態だったように思う。

 

教師との恋は現実逃避には最適だった。私は彼とひんぱんにメールやスカイプをして、学校の外での繋がりが増えていった。ほとんど毎日連絡を取り合った。彼に会う時間を増やすために居残って勉強をした。彼もしょっちゅう私に勉強を教えてくれたし、放課後お互いにお互いを占いで見る(wwwww)というようなイベント(wwwww)もあったりした。彼は教師のままでいるか実家を継ぐかを迷っており、それを私に相談してくるというヤバさがあった。ごはんを食べるときにごはんの写真撮って送りつけてきたりとか。

 

学年主任の先生(恋していた教師とは別の人)に突然呼び出されて、いったいなんだろうと思っていたら、「卒業したらあいつのこと好きにしていいよ」という謎のお墨付きまでもらったのだった。なんやねん。私の通っていた女子校は、男性教員の半数が元生徒を嫁にもらっているようなヤバイ学校だったので、(今思うとさぶいぼが立つ)生徒の方も、教師も、みんな恋愛脳だったと思う。

 

私は学年主任の先生にまでお墨付きをもらうとは相当なことだと思ったし、彼も私のことが好きなんだと思った。その数日後、手相をみてあげるという口実で、大体の性格診断をした後で、「先生、今好きな人がいますね?」とカマをかけた。彼の反応は面白いくらい分かりやすく、飛び上がって席を立つくらいだった。私はとどめのつもりでこう言った。「その人、年下なんじゃないですか」彼の顔は真っ赤だった。

 

私以上に先生と仲良くしている生徒なんて他には見当たらなかった。私のことだ、と思った。でも彼は次の瞬間、「好きな子が2人いる」と言ったのだった。

 

私は頭が真っ白になった。でもすぐに冷静さを取り戻して、その2人が誰と誰なのかをはっきり絞っておく必要があると思った。私は先生のことを2年間見つめていたので、彼がどんな性格かなんてことはかなり把握していた。しているつもりだった。だから占いの結果として信用させるために、彼の性格の傾向はこうですね、と手相をちゃんと見ているふりをした。嘘つきの能力がかつてこれほど役に立ったことはなかった。

 

彼は面白いくらいするすると喋った。好きな子が2人いて、片方は見た目が85点、でも会話しているととても楽しい、気が合う子だということ。そしてもう片方は、見た目が100点満点なのだけど、緊張してしまうし喋ったこともあまりない。K、お前だったらどっちを選ぶ?と。

ひょっとしたら、私の自意識過剰で、その2人のうち私はどちらでもなかったのかもしれない。でも私はその話を聞いて瞬時に、私は85点のほうであると悟ったのだった。頭をガツンと殴られたようなショックがあった。ずっと真面目に片思いしていた私は、その事実に耐えられず、「妥協しちゃダメですよ、私なら100点の方を選びますね」と言った。

 

うわさの広まるのを恐れて、私は同級生の誰にも、どんなに仲が良くても、教師が好きだということを相談してこなかった。だけどどうしても誰かにこのことを話したいと思い、仲の良い、恋人のいる女友達に一部始終を話した。女友達は優しかった。私の秘密を守ってくれた。

 

卒業式が終わった後、私はもうだめだということがわかっていたけれど、先生に電話をした。「卒業おめでとう」「ありがとうございます」一瞬の沈黙、覚悟を決めた。「もうわかってると思いますけど、私、先生のことが好きです」

 

「ありがとう、Kのような賢い子に好きになってもらえたことはとても嬉しい。でも女子校で勤めていると、生徒に告白されるのは年一イベントなんだよね」泣いているのを悟られないように必死にしゃくりあげそうになる声をおさえた。あとはなんて言われただろう、「今描いている漫画の続きできたらまた見せてよ」とか言われたと思う。誰が連絡するかバーカ。

 

彼のことがとっても好きだった。でも女子校という狭い環境のなかで、彼しか選択肢がなかったからだとも言えるし、彼は当時28歳か29歳くらいだったと記憶しているが、やっぱり女子高生に対してのその態度、ヤバイよな、きもいよな…とも思う。多くの男性が若い女性を好むのは仕方のないことかもしれないけど。

 

でも占いの時に私が仕掛けたこと、ちゃんと告白してひと段落つけたこと、それだけは、辛い恋の終わりでも、私かっこいいじゃん、ちゃんとしてるじゃん、と自信を持てる部分だったりする。

 

 

卒業してから約1年後、突然、友達登録もしていないのに先生からラインが来たのには心底がっかりした。ガラケーからスマホに変えたけど、電話番号はそのままだったから、「友達かも?」のところに表示されたんだろうけど。

 

「元気?」とか「漫画描き終わった?」みたいな感じで、私がそっけない返事をしたら「相変わらずクールですね」と返事が来たことを覚えている。がっかりさせないでほしい。その後ブロックしたけど。