躁鬱主婦日記

アダルトチルドレン、双極性障害。漫画家になった。

友人がピュアだという話

昨日は文化の日で休日だったものだから、友人Hが泊まりにやってきた。

彼女とは専門学校時代に知り合った。卒業以来、だいたい1ヶ月に1回くらいの頻度で会っている。同級生のなかでも1番仲がいいと言ってもいいくらい。

 

Hは同級生だが、私より2つ年上の25歳。恋人いたこと無し。かなり美人だ。女の子にだけなのかもしれないが相当人懐っこい。彼氏は欲しいと思ってはいるが、出会い系とかでがんばるのはちょっと抵抗がある。自然な出会いがいいらしい。丸メガネ。最近友人に「サブカルクソ眼鏡」と揶揄されたらしい。そんな女の子だ。

 

Hと会えば、在学中の同級生の近況で盛り上がったりすることもしばしばだが、昨日はとくに、少し踏み入った話をした、気がする。

それはHにとっても、私にとっても親しい友人である、Sの話だ。

 

Sは私と同い年で、かなり天然なところがある。でもS自身はひとに「天然」とか「よくわからない」とか言われると、言われすぎていてへこんでしまうのでちょっと扱いに注意が必要だ。恋人がいたことは無い。でもHとは打って変わって、出会い系アプリを使って色々な人と会ってデートしたりする、かなり恋愛に活動的な子。巨乳。愛すべき友人の1人である。

 

Sは在学中から何かと私に恋愛相談をもちかけてくることが多かった。なぜ私に言う気になったかはよくわからないけど、専門学校の1年生から2年生くらいにかけて、SはHのことが好きだった。ライクではなく、ラブのほうで。Sは多分バイセクシュアルなのだろう。最近は男性のみにしぼって相手探しをしているようだけど。

私はSにその相談を聞かされていたころ、Hとは特別仲がいいわけではなく、ただのクラスメイトだった。でも何か私も、当時からHに対して好意というか、仲良くなりたい感じの子だなと思っていたから、Sが好きになった気持ちもなんとなく理解できた。

 

SはHとどこかに出かけるたびに、想いがつのってしまうようで、しょっちゅう私に電話をかけてきた。「どうやったらHとキスができるか」という話を、私と延々としていたこともある。正直、Hにその気がなければキスは難しいということは私も理解していたけど、あまりにもSが真剣に悩んでいるものだから、結局1時間くらい話しこんだ。「酒を飲ませカラオケに連れ込み、酩酊状態のところをブチュッといく」という結論が出たけど、Sは本気でHのことが好きだったから、もちろんそんなことはしなかった。その恋がうまくいく確率がとても低いということは、Sも私もよく分かっていたし、「別の男の子を探したほうがいいと思うよ」とも告げた。

 

だけど、とうとうある日、SはHに自分の思いを伝えたのだった。

Hは、「気持ちは本当にうれしいけど、Sとは付き合ったりできない」と断ったらしい。Sは、「つきあえないのは仕方ないけど、どうしても、1回でいいからキスしてほしい」とHにお願いをした。でも、Hはキスしなかった。

そのあとすぐにSはびょおびょお泣きながら私に電話をかけてきて、ことの顛末を話し、私もできるだけ優しい言葉でSをなぐさめた。

このことを学校の中で知っているのはSとHと私だけで、Hは私が相談を受けていることを知らなかった。それが数年前の話だ。SとHは、微妙な距離感ながらも今では仲がいい友人として定期的に遊んだり、交流はある。Sは恋がうまくいかなくても関係を切ったりすることをしない子だし、Hは気持ちを受け止めてあげられなくても友達でいたいと働きかける子だった。

 

秘密は卒業後、私がやぶってしまった。私はここまでHと私が仲良くなると思っていなかったんだけど、さすがに、Hもここまで仲良くなれば私と2人でいるときにこのことを話してくるんじゃないかと思っていた。だけどHは絶対にその話をしなかった。むしろあまりにも話してこないから、私のほうから、2人きりのときにばらしてしまった。「えーーそうだったのーーーもっと早く言ってよーーー」。Hは本当にいいやつだと思った。

これが卒業してから1年後くらいの出来事。私も馬鹿正直なのだけど、HにばらしてしまったことをSに伝えたら、「ぜんぜんいいよ!むしろKが色々話してくれたほうが私が言うより伝わりやすいし」とこんな調子だった。

 

そして昨日、文化の日。Hとはあまり飲み屋に入ることがなかったのだけど、Hが今日は餃子が食べたいと言うので、多分はじめてサシで飲んだ。ネタばらしをしたあの日から、お互いにSの話題には触れてこなかったのだけど、はじめてHが、「私、Sに直接告白されたんだ」という話をしてきてくれた。酒と餃子の効果なのかはわからないけど。

私もはじめて、Hへの告白が終わった後、Sが泣きながら私に電話をかけてきた話をした。

Hは、独り言みたいに「泣いてたのか。ごめんねS・・・Sはかわいいよねえ、本当にあのこはアホだけどいい子なんだよね、気持ちは本当に嬉しかったの。今、彼氏欲しいけど、もう女の子でもいいかなって思っちゃう。そのたびにSにごめんねって思う」と言った。

そのあと、私がSと「どうやったらHにキスができるか」というテーマで語り合っていた話をして、お互いお腹が痛くなるほど笑った。

 

Hは会うたびに、「そろそろ彼氏がほしい」と素直に言ってみたり、恋愛ものの映画にヘイトを吐いてみたり、「一生ひとりでも別にいい」と言ったりしている。多分恋愛で失敗するのが怖いんだと思う。がんばって、とかそんなことは言わないし言えない。本人のタイミングの問題に口をはさみたくない。でも、「ひとりでもいい」というHに、恋愛への憧れが見え隠れするのは、わかっているつもりだ。